日本のシロアリ対策

建築基準法

建築基準法施工令第49条は、「構造耐力上主要な部分である柱、筋交い及び土台のうち、地面から1m以内の部分には、有効な防腐処置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない」と規定しています。

これが、日本のシロアリ対策の基本となっています。

物理工法としての基礎

今日の住宅の基礎は、ほとんどがベタ基礎です。基礎全体を鉄筋コンクリートの一体化構造とするベタ基礎は、地震の揺れに強く、不同不沈も起こりにくいといわれています。しかし、地下シロアリは、次の4つのルートでベタ基礎を突破する可能性があります。

​(1)打ち継ぎした継ぎ目の隙間

対策:2度打ちをやめ一体打ちにするか、打ち継ぎ部分をターメッシュで補強します。

​(2)幅1mm近いひび割れ

対策:基礎を打つ際、砂利、砂、水の正しい配合比を守り、適切なバイブレーターで締め固めます。

​(3)水道、ガス管、排水管などの貫通部にできる隙間

対策:貫通部位を基礎立ち上り部分で横引きにするか、貫通部を防蟻シール材で埋める。

​(4)基礎立ち上がりの外側を覆う基礎外断熱やモルタルなどの間にできる隙間

対策:基礎立ち上がりの外側を異種材料で覆わない。

住宅の付帯物

風呂の多くがユニットバスになった今日、シロアリ被害を抜群に受けやすいのは、玄関、勝手口、テラスなどの盛り土をする部分です。住宅本体と階段や車椅子用ランプなどの付帯物は25mm以上分離して縁を切る、玄関と基礎を一体打ちにする、上がり框などの玄関周辺の木材を土台同様に防蟻処理するなどの対策が有効です。

土台

土台は、木造住宅の最下部に位置し、地下シロアリが最初に遭遇する部材です。しっかりした防腐防蟻処理が必要です。土台の50%はヒノキです。法規上ヒノキは耐久性樹種で未処理のまま土台に使用してもフラット35や長期優良住宅の優遇措置が適用されます。しかし、より安全を期して、ヒノキにもホウ酸処理することをお勧めします。

農薬系殺虫剤による木部処理

写真の柱の下部は、建築基準法に準拠して防腐防蟻処理をしており、検察官を納得させるためのものです。完成後は、断熱材と一緒に壁の中に隠れてしまいます。シロアリの予防に使われる農薬系殺虫剤の効果は、せいぜい5年しか持続しません。築5年で再処理するという建前ですが、外壁構造材を再処理するには、内装を剥がし、断熱材を外す必要があり、典型的な戸建て住宅で300万円程度かかります。実際にこのような工事をおこなう人はほとんどいないでしょう。シロアリ業者は、築後5年で再処理に来ます。業者は床下に入って土台や床組みに薬剤を吹き付けるだけで、外壁には手をつけません。結果は、築5年にして地震対策上重要な柱や筋交いの下部が、シロアリや腐朽菌から保護されていない、建築基準法違反の住宅になるのです。

農薬系殺虫剤による人体への影響

防腐防蟻処理剤は、つい最近まで、ほとんど100%が農薬系の薬剤でした。農薬は、残留農薬が問題にならないよう、5年ほどで分解しやすいように設計されています。これらの薬剤は、成人に対する急性毒性は低いにもかかわらず、殺虫能力は非常に高い、いわば理想的な殺虫剤といわれています。しかし、ネオネコチノイドは、フランス、ドイツ、イタリア、スロベニアなどの農業国で、ミツバチの大量死や失踪をふくむ生態系への深刻な影響を理由に使用禁止や制限が始まっています。また、カリフォルニア大学やカリフォルニア州保険局が発表した調査では、これらの薬剤が原因とみられる、自閉症や自閉症スペクトルなど胎児への影響が見つかりました。米国の医学雑誌「Environmental Health Perspective」に掲載された論文によると、妊娠初期に母親が有機リン系の殺虫剤に暴露すると、生まれる子どもの知能指数が統計的に低下することが報告されています。

株式会社竹屋

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